パリで出逢った ソウルメイト ②

中村
「あぁ、大昔の話だけど、俺はアメリカに
語学留学したくて大学1年のとき工事現場でアルバイトして金貯めてたんだわ。

その工事現場はクローバー商事の本社でさ、
いっつも、3組の夫婦がそれぞれ子供を抱っこして現場にきててさ〜
来るたんびに炭酸飲料やコーヒーをケースで差し入れしてくれてな。
現場監督にココは、何の会社になるんですか？
って聞いたら、輸入雑貨の会社になるらしいって言ってたんだよ。
金もたまり、1年間大学休学して、この町の語学学校に通って英語が活かせる会社に入ろうと思ってたけど、大学4年の就職活動が中々思うように行かなくてな〜
たまたま、クローバーの本社の前を通ったら…
今思えば風間さんだと思うんだけど…
俺の前をキラキラした目で、ニコニコしながら本社に入って行ったんだ。
アレ？　このビル俺がバイトしてた現場だと考えてたらさ
ビルの中から会長の奥さんの美紀さんが、ボーと　突っ立ってた俺に、
「どうしたの？具合が悪いの？中入って休む？」
って声掛けてくれてさ、
中に連れて行ってくれて水を出してくれたんだ。