響は謙太郎を唆す
「俺には関係ある」
と謙太郎は答え、そのまま担任を避けて歩き出した。
「お願い!やめて!頼むから!」
と、担任がだんだん感情的になったが、無視して廊下を進み、そのまま職員室前の小部屋の指導室に行き、ノックしてドアを開けた。
中には、高校主任の男性教師と教頭が机の右に座り、正面に響が座っていた。ドアが開いたのでとっさに入口を見て、「あっ」と驚いた顔をした。
響と目が合った。
謙太郎は思わずじっと見返した。
担任があわてて言い訳をしだす。
教頭は、謙太郎に遠慮している。
主任は担任に文句を言いだす。