響は謙太郎を唆す

謙太郎が引き下がらず、

「戸波さんに直接、聞きましょうか?」

と聞いたので、教頭はしかたなくニヤニヤ笑いながら言った。

「いやー、困った事です。制服で繁華街をウロついて、いかがわしいお店に出入りし、男性と夜中歩いていた、っちゅー事ですな」
「あっ、それ。俺だ」

謙太郎があっさり言ったので、3人の先生はギョッとした。

謙太郎は担任に向かって、

「登校日に先生が戸波さんに、翌日までにパソコンの費用を持ってくるよう言ったんだろ。費用を取りに、親に会ってましたよ。仕事場で。俺はたまたま塾の帰りに偶然戸波さんに会ったんだけど、アルコールもタバコも禁止のお父さん経営のお店で、戸波さんこご両親もいて、食事をし、9時ごろに俺が家に送りました」
「⋯⋯ 」
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