響は謙太郎を唆す
響は、謙太郎の声がかすかに傷ついていると感じた。
響は自分のせいで、謙太郎が傷ついたと思った。
担任は答えなかったが、それは肯定だと言ったようなものだった。
「教師って、そんな職業なんだ?長年勤めてたのに、金持ちの保護者の身勝手を手助けして生徒を陥れる。生徒の将来なんか、どうでもいいんだ」
主任が、
「言い過ぎですよ!」
と口を挟んだが、謙太郎はそのまま響の腕をつかんで立ち上がった。
「一緒にいた俺も停学なら、親に言っといて下さい。じゃ、戸波さん、連れて帰るんで」
2人で部屋から出た。
そのまま歩いて外に出て響の肩を抱いた。
そのうち響は、
「大丈夫かな?謙太郎のほう」
と言って、
「来てくれて、ありがとう」
と笑った。
そのまま2人で帰った。