響は謙太郎を唆す
響の番になった。
皆と同じように、立って、大人しく、
「戸波 響です」
とだけ言ったとたん続きを言う前に先生は、すぐピシャリと言った。
「はい、『ひびき』ではなく『キョウ』と読むのね。子供を目立たせたかったのかしら。変わってる。読みにくいですし、あんまり個性的な名前も大変ですね」
生徒達が、
「あれ?」
という雰囲気になった。
(嫌味だ)
と響はチクッと刺されたように思った。
名前をつけた親の事を確かに否定している。
そんなに、受け入れ難いのだろうか。
先生には親や子供はいないんだろうか。
偏見だけで、こんな態度、すごく傷つく。
響は言い返さないように息を吸った。
響の名前を『ひびき』と読まず『きょう』と読むのは珍しいと思うし女の子の名前っぽくはない。
小さい頃からクラスメイトにからかわれたり珍しがられたりしてきた。
最初の新学期は、いつもちょっと嫌な事があるが、今年は今まででも最悪だと思った。
皆と同じように、立って、大人しく、
「戸波 響です」
とだけ言ったとたん続きを言う前に先生は、すぐピシャリと言った。
「はい、『ひびき』ではなく『キョウ』と読むのね。子供を目立たせたかったのかしら。変わってる。読みにくいですし、あんまり個性的な名前も大変ですね」
生徒達が、
「あれ?」
という雰囲気になった。
(嫌味だ)
と響はチクッと刺されたように思った。
名前をつけた親の事を確かに否定している。
そんなに、受け入れ難いのだろうか。
先生には親や子供はいないんだろうか。
偏見だけで、こんな態度、すごく傷つく。
響は言い返さないように息を吸った。
響の名前を『ひびき』と読まず『きょう』と読むのは珍しいと思うし女の子の名前っぽくはない。
小さい頃からクラスメイトにからかわれたり珍しがられたりしてきた。
最初の新学期は、いつもちょっと嫌な事があるが、今年は今まででも最悪だと思った。