響は謙太郎を唆す

最初の日、彼らが戻ってきたら謙太郎は響と食べていたが、2人とも全然驚かず、椅子の向きだけ動かして謙太郎の机の周りに無造作に座ってパンの袋を開けて食べ始めた。

謙太郎と響が弁当を交換していたが、チラッと見て、何も言わなかった。

「何だっけ、戸波さんだっけ?名前は『きょう』さんだよね。あー、先生ヤバかったから、ごめん、名前覚えちゃったわ」

と言って、

「俺は、吉田」
「川上」

と名乗った。
謙太郎を入れて3人とも、付属の中学出身で、小学校からの友達らしい。

「別に。小学校の時なんて、キョウって狂うって意味だぜって男子に言われてたからね。子ぐらい付いてたら、普通だったんだけど」

ひで〜と笑いながら、そのまま、毎日一緒に食べてる。

吉田君も川上君も、髪型も制服の着方も、なかなか派手な感じだ。
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