響は謙太郎を唆す

2人は、謙太郎もそうだが、かなり目立つ。
先生に新学期そうそうに注意されたばかりなのに、
(大丈夫かな私の1年)
と少し不安になったが、2人とも余計な詮索もしないし、自然に接してくれて話しやすく、響は居心地がよかった。
2人とも響と同じく、内部進学の推薦で付属の大学に行こうとしていた。

まずは、6月の中間テストの結果。
それで成績が取れればほぼ推薦が決まる。
新学期始まったばかりだが、テストに向けて勉強するしかなかった。

謙太郎は⋯⋯ 。

謙太郎はおしゃべりで、ずっと話していることもあるが、響は1週間ぐらいして、
(あれ?)
と思った。

彼は自分自身の事を話さない。

響達が内部進学の話をしていても黙っていた。
元々成績はトップクラス、それなりに努力し勉強もしているみたいだ。
吉田君と川上君から聞いたところ内部推薦で医学部に行くとか。

病院の後継者だから当然そうなるんだろうとも思ったが、そういう類の話を謙太郎は全くしなかった。

< 34 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop