響は謙太郎を唆す
やはり、謙太郎からの連絡だからだと響は分かっていた。
何でもないように、ごく普通に接してくる謙太郎。
この文面だって、そのまま、学校が休みだというだけの意味なのかもしれない。
けど⋯⋯ 。
勝手にドキドキしてしまう。
『会う』って言葉の使い方、それこそ変じゃない?
なんて返事すればいい?
えっ?
会いたいって言われてる?
瞬間にいろいろ考えて(落ち着こう)と思った。
謙太郎が誰とどんな風に連絡をしているのか響は知らない。
こんな事、彼の日常で誰とでもしてるのかもしれないし、してないのかもしれない。
今だって、たくさん送ってる瞬間の合間かもしれないし、私だけに送っているのかもしれない。
分からない。
それだけで何となく泣きたくなった。