響は謙太郎を唆す
響はただ、

[うん]

と、書いたら、そのまま既読だった。

謙太郎は、彼の携帯画面を見ているんだ。この空間が繋がってると思ったら、今すぐ彼に会いたいと考えている自分がいた。
なのに、なかなか、何も返信してこないじゃない?、でも響は、画面の向こうに謙太郎の気配がするような気がした。

[私は、明日は朝から、T駅のコーヒーショップで勉強する。予定。]

これは、完全に誘いだ、と響は自分でも思った。
地雷を踏もうとしているのは自分の方。
会いたいと言ってるのも私だ、と思った。しかけたのも私。

秒で返事が来た。

[俺も、行く]





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