響は謙太郎を唆す
誰かが見ていても謙太郎は気にしない。
「吉田と川上とカラオケ行くけど、響も来いよ」
謙太郎は両手で響の顔を包むように持って、響の頭を動かす。
親指が唇に少し触れた。
響は無理に仰向いていて、謙太郎の指はゆっくり響の唇をなでた。
謙太郎は自分も前かがみになって、響の頭に息がかかるぐらい近づいて、顔を傾けて響の顔覗いた。
いや、この姿勢は流石にまずいよ。
横の人も焦って、見ないようにしてる。
とにかく、うん、と頷いて、何とか謙太郎の手を離そうとギュっと手を握った。
そうしたら今度は指を絡めてきて、何だか私達、手まで繋いでる。
教室の生徒がチラチラこちらを見てる。
謙太郎の手を振りほどいて、響は机を少し前に動かして謙太郎から逃れた。
うるさい心臓を落ちつかせて、距離を開けて、
「カラオケ?」
と聞き直した。
「吉田と川上とカラオケ行くけど、響も来いよ」
謙太郎は両手で響の顔を包むように持って、響の頭を動かす。
親指が唇に少し触れた。
響は無理に仰向いていて、謙太郎の指はゆっくり響の唇をなでた。
謙太郎は自分も前かがみになって、響の頭に息がかかるぐらい近づいて、顔を傾けて響の顔覗いた。
いや、この姿勢は流石にまずいよ。
横の人も焦って、見ないようにしてる。
とにかく、うん、と頷いて、何とか謙太郎の手を離そうとギュっと手を握った。
そうしたら今度は指を絡めてきて、何だか私達、手まで繋いでる。
教室の生徒がチラチラこちらを見てる。
謙太郎の手を振りほどいて、響は机を少し前に動かして謙太郎から逃れた。
うるさい心臓を落ちつかせて、距離を開けて、
「カラオケ?」
と聞き直した。