響は謙太郎を唆す

謙太郎と吉田くんと川上くん、3人はよく音楽の話をしていて響はいつも黙って聞いていた。
3人でバンドを組んで学祭にも出た事があるらしい。
彼らは激しいロック、しかも、かなりハード系のメタル系が好きだ。
ジャンルがはっきりしていないが、名前の出てくるバンド名はかなり偏っていて詳しそうだった。

響にはこんな音楽は分からないだろう、と3人とも思っているみたいだった。

「吉田と川上、後、ランとレイカ、野上」

ランとレイカ、同じクラスの派手な大人っぽいお姉さま達だ。
野上君はスポーツ推薦の生徒。
皆んな始業式の日に、クラスで謙太郎が話していたメンバーだった。

本当はその人達といるのが謙太郎は普通だったのに、響にかかわったため話しにくくなって、吉田くんと川上くんしか一緒にいないんだろう、と響は思った。

謙太郎と響は教室を出た。

他の人は先に行ったのか、後から来るのかよく分からなかったけれど、靴箱で吉田くんと川上くんには会った。
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