響は謙太郎を唆す

これは本当だった。
響が先生に呼び出されたのも、疑われてるのも、このメタルのせいだった。

「えっ、ロックで?」
「退学レベル?何それ?」

と、口々に驚かれた。

「うん、そう、かな。ロック好きすぎで、退学レベル?だから、すごく大人しくしてる」

川上くんが、最もなことを聞いてきた。

「じゃ、謙太郎とか俺らといたら、まずいんじゃないの?目立つから」

「そうだね⋯⋯ 。でも、」

と、響に気合が入る。

「友達関係まで色々言われるのは、くそくらえってかんじ」

横で、謙太郎が笑った。
笑いが止まらない。
謙太郎は正直、泣きそうだった。
< 64 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop