響は謙太郎を唆す

謙太郎は響のこんな面に確かに驚いた。
さっきの曲完璧だった。
そのまま学祭に十分出れる。

知らなかった。

謙太郎は、自分を惹きつけて離さない響は、また、新たに自分を捕らえたと思った。

完全に落ちたと思った。
響に頭から落ちた。
もう謙太郎は元の自分には戻れないと思った。

色々言われるのは『くそくらえ』正にそうだ。

自分に一番足りないところだ。

謙太郎がずっと笑っているので、お姉さま達は「おかしくなってるよ」と囁きながら、響とライン交換し始めた。
「去年まで大人しくしすぎて、友達いないからうれしいな」と響が言ってる。

本来の自分を抑えて1人きりで戦ってきた響。
なかなか出来ないと思う。
根性が座っていて、本当にすごいと謙太郎は思った。
< 65 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop