響は謙太郎を唆す
歌い出したら、響もマイクを持ってハモってきた。
サビ部分で、
『こんな俺でごめん、sorry、愛してるぜ』
とシャウトしたら響が泣き出した。
お姉さま達は、
「何これ、謙太郎、告白じゃん、」
と呟いた。
謙太郎も響が泣いたので驚いて、立っていたら、響が、
「私もこの曲が、一番好きなんだ!」
とマイクで叫んで涙がポロポロ落ちた。
「ボーカルのレンが娘に書いた曲!この曲選んで、謙太郎、見直した!お父さんみたい!」
と謙太郎に抱きついた。
響は嬉しかった。
この曲を選曲した謙太郎が、一番好きな曲だと言ってくれる謙太郎が。
長年の我慢にご褒美をもらったみたいな、生きててよかったレベルに。