響は謙太郎を唆す

響が家の外門を開けたら、いきなり、門の壁に押し付けられて、顔の両脇に手を突かれて、まっすぐに謙太郎が響を見た。

謙太郎に閉じ込められてた。

「考えるなら。まず、俺の事考えろよ」

と至近距離で低く言って顔が近づいてきた。

響はとっさにギュっと身をすくめて横を向いたら、耳に唇があたり、耳に直接彼の声が吹き込まれる。

響はゴソゴソ動いた。

「じっとしてろって、我慢してんだから」

耳から首筋に移動して、顎から頰に唇があたり、響の口の端でとまった。

「キスする、いいな! 」

と響に押し当てたまま、謙太郎の唇が囁いた。

キスされた。
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