響は謙太郎を唆す
でも、どんな選択をしても、謙太郎は謙太郎だから。
信じるし気持ちは変わらない。
だから、どんな時もちゃんと自分で立っていたい。
謙太郎が響を選んだ時、響は準備万端で受け止めてやれるように。
響は謙太郎の膝の上で、彼にしがみついていた。
謙太郎がゴソゴソして、響を起き上がらせようとしたので、さらにしがみついた。
そうしたら、
「響⋯⋯ まじ、ごめん。この体勢はヤバい⋯⋯ 」
と言われて、あっと思って、離れたら、謙太郎が真っ赤になってた。
心の中で、
(ヤバくて結構、焦ればいい)
と思った。そして、
「そそのかしてる」
とゆっくり、口に出した。