孤独のその先に
「希咲そっくりの顔だな」


『…お母さんのこと苦しめないで』


「あ?」


ぽつり、ぽつりとお腹の中に溜まっていたものが出ていく。


『琉樹兄のこともそうだけど、どれほどの人を傷つけたら気が済むの!』


今まで溜まっていたものが吐き出された瞬間だった。


『借金の隠蔽のためなんかに琉樹兄を…!あんたなんか父親じゃない!』


しばらくその場が沈黙になった。
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