結婚記念日 ~15年目の小さな試練 番外編(3)~
「ちょっと待ってね」
カナは自分のベッドに戻り、枕元に置いてあったスマホに手を伸ばす。
青白い灯りにカナの顔が浮かび上がった。
「一時三十五分」
カナはそう言うと、スマホを伏せてわたしの方にまた戻って来る。
日付が変わった。
今日、今、この瞬間、元気で良かった。
そう思いながら、私はベッドに起き上る。
「ハル? トイレ行く?」
カナは今日もわたしの事ばかり考えている。
気遣わし気にわたしの顔を覗き込むカナに、わたしは精いっぱいの笑顔を見せた。
だけど、フットライトの薄明かりでは表情までは見えないかな?
「カナ、大好き」
向かいにいるカナをギュッと抱きしめる。
一瞬、カナは驚いたように息をのみ、それから、嬉しそうに笑ってわたしを抱きしめ返してくれた。
「ありがとう。オレも大好きだよ」
カナがわたしを抱きしめながら、優しい手つきで髪をなでる。
「カナ、……お誕生日おめでとう」
そう。
今日は、カナの十九回目のお誕生日。そして、わたしたちの初めての結婚記念日。
「……あ、そっか。もう、今日か」
カナは感慨深そうにそう言って、
「ありがとう、ハル」
と、わたしの頬にキスを落とした。
それから、カナはついばむようにわたしの唇にもキスを落とし……。
そうして、気が付くと、久しぶりの大人のキスになり……。
どれくらい時間が過ぎただろう?
カナは静かに息を吐いて、それから、わたしをそっと慈しむように抱きしめて、背中を優しく何度もなでさすり、そうして、
「何もしないから、こっちのベッドで一緒に寝ても良い?」
と言った。
頷くと、今度は頬を合わせて、
「ありがとう」
と囁くように言った。
カナは自分のベッドに戻り、枕元に置いてあったスマホに手を伸ばす。
青白い灯りにカナの顔が浮かび上がった。
「一時三十五分」
カナはそう言うと、スマホを伏せてわたしの方にまた戻って来る。
日付が変わった。
今日、今、この瞬間、元気で良かった。
そう思いながら、私はベッドに起き上る。
「ハル? トイレ行く?」
カナは今日もわたしの事ばかり考えている。
気遣わし気にわたしの顔を覗き込むカナに、わたしは精いっぱいの笑顔を見せた。
だけど、フットライトの薄明かりでは表情までは見えないかな?
「カナ、大好き」
向かいにいるカナをギュッと抱きしめる。
一瞬、カナは驚いたように息をのみ、それから、嬉しそうに笑ってわたしを抱きしめ返してくれた。
「ありがとう。オレも大好きだよ」
カナがわたしを抱きしめながら、優しい手つきで髪をなでる。
「カナ、……お誕生日おめでとう」
そう。
今日は、カナの十九回目のお誕生日。そして、わたしたちの初めての結婚記念日。
「……あ、そっか。もう、今日か」
カナは感慨深そうにそう言って、
「ありがとう、ハル」
と、わたしの頬にキスを落とした。
それから、カナはついばむようにわたしの唇にもキスを落とし……。
そうして、気が付くと、久しぶりの大人のキスになり……。
どれくらい時間が過ぎただろう?
カナは静かに息を吐いて、それから、わたしをそっと慈しむように抱きしめて、背中を優しく何度もなでさすり、そうして、
「何もしないから、こっちのベッドで一緒に寝ても良い?」
と言った。
頷くと、今度は頬を合わせて、
「ありがとう」
と囁くように言った。