結婚記念日 ~15年目の小さな試練 番外編(3)~
朝
あたたかなぬくもりに包まれて、何だかとても気持ちいい。
いつまでも、このままたゆたっていたいと思いながら、ぼんやりしていたら、耳元で優しい声がした。
「ハル、おはよう」
……カナ。
ゆっくりと目を開けると、自宅と違い遮光ではないカーテンは日の光が透け、寝室は薄っすらと柔らかな朝の光に満たされていた。
二度目の目覚めは、今度こそ朝だった。
「……おはよう」
ふわあっと小さくあくびをすると、目尻に涙が浮かぶ。
「もう少し寝る?」
とカナがゆっくり、わたしの頭をなでた。
……もう少し?
後、少しだけ。
そう。後、少しだけ、カナのぬくもりを感じていたい。
そう思って、カナの大きな背中に手を回すと、カナは嬉しそうに笑った。
「ハル、大好きだよ。愛してる」
カナの胸の中に抱きしめられ、そのぬくもりに包まれる。
わたしも。わたしも、愛してる。
……ああ、幸せだ。
幸せって、こういう事を言うんだろうな。
自然とそんな気持ちが沸き起こる。
カナの胸に頬を押し当て、幸せを噛み締めていると眠気に襲われた。
……寝ちゃダメ。
だって、今日は、もし元気だったなら、やりたいことがいっぱいあるんだから。
だけど、このままだと、一分と経たずに寝てしまう自信がある。
自然と身体の力が抜けていく。
「もう少し寝よっか。ゆっくりしよう」
カナに言われて、気力で首を左右に振ると、カナはくすりと笑った。
「じゃあ寝ないで、もう少し、こうしていよっか?」
カナはわたしを抱きしめて、優しく頬をなでた。
ぬくもりが心地よくて、本当に心地よくて……。
「……ん」
そう答えたのに、もう起きようと思っていたのに、わたしはまた眠ってしまい、いつの間にか薬も飲まされていて(何故か全く記憶にない)、次に気が付いた時には、すっかり日は登りきっていた。
いつまでも、このままたゆたっていたいと思いながら、ぼんやりしていたら、耳元で優しい声がした。
「ハル、おはよう」
……カナ。
ゆっくりと目を開けると、自宅と違い遮光ではないカーテンは日の光が透け、寝室は薄っすらと柔らかな朝の光に満たされていた。
二度目の目覚めは、今度こそ朝だった。
「……おはよう」
ふわあっと小さくあくびをすると、目尻に涙が浮かぶ。
「もう少し寝る?」
とカナがゆっくり、わたしの頭をなでた。
……もう少し?
後、少しだけ。
そう。後、少しだけ、カナのぬくもりを感じていたい。
そう思って、カナの大きな背中に手を回すと、カナは嬉しそうに笑った。
「ハル、大好きだよ。愛してる」
カナの胸の中に抱きしめられ、そのぬくもりに包まれる。
わたしも。わたしも、愛してる。
……ああ、幸せだ。
幸せって、こういう事を言うんだろうな。
自然とそんな気持ちが沸き起こる。
カナの胸に頬を押し当て、幸せを噛み締めていると眠気に襲われた。
……寝ちゃダメ。
だって、今日は、もし元気だったなら、やりたいことがいっぱいあるんだから。
だけど、このままだと、一分と経たずに寝てしまう自信がある。
自然と身体の力が抜けていく。
「もう少し寝よっか。ゆっくりしよう」
カナに言われて、気力で首を左右に振ると、カナはくすりと笑った。
「じゃあ寝ないで、もう少し、こうしていよっか?」
カナはわたしを抱きしめて、優しく頬をなでた。
ぬくもりが心地よくて、本当に心地よくて……。
「……ん」
そう答えたのに、もう起きようと思っていたのに、わたしはまた眠ってしまい、いつの間にか薬も飲まされていて(何故か全く記憶にない)、次に気が付いた時には、すっかり日は登りきっていた。