結婚記念日 ~15年目の小さな試練 番外編(3)~
夜
結局、お庭でランチタイムを過ごしただけで、その日は終わってしまった。
何故って、昼食の後、わたしが疲れて眠ってしまったから。
「ごめんね。どっこも行けなかったね」
「ん? 庭でピクニックランチしたじゃん」
夕飯を食べながら謝ると、こともなげにカナは言う。
お庭でのランチは楽しかった。
外出先ではなく、家の敷地内といっても家の人がいる訳でもない落ち着いた場所。誰の視線を気にすることもなくカナと二人でたくさんおしゃべりもできたし、沙代さんが用意してくれた食事はとても美味しかった。
最後に食べたのは、カナのお誕生日祝いと結婚一周年のお祝いを兼ねた小ぶりだけどフルーツのたくさん乗ったケーキ。
ろうそくは二人で相談して、数字の1と9、それからハートの形のものを刺した。
ろうそくを吹き消すのは、二人一緒に。カナのお誕生日に、ケーキのろうそくを吹き消すなんて初めてで、何だかとても変な感じがした。
二人だけのささやかなお祝いだったけど、本当に楽しかった。
カナの提案でセルフタイマーで記念撮影もしたし、スマホで自撮りというのもした。
「でも……デート、したかったな」
思わず漏れたそんな言葉に、カナは相好をくずした。
「明日も明後日も、家に帰るまで、まだ十日以上あるんだから、また体調の良い日に行こう」
言われて、こくりと頷く。
昨日から、食事の時くらいは起きていられるようにはなった。でも、今、わたしが食べているのは卵がゆで、カナとは別メニュー。朝は寝ている内に飲まされたゼリー飲料だし(しかも覚えていない)、結局、今日しっかり摂れた食事はお昼ご飯だけだった。
こんな状態で無理したら、明日はまた起きられなくなる。
何故って、昼食の後、わたしが疲れて眠ってしまったから。
「ごめんね。どっこも行けなかったね」
「ん? 庭でピクニックランチしたじゃん」
夕飯を食べながら謝ると、こともなげにカナは言う。
お庭でのランチは楽しかった。
外出先ではなく、家の敷地内といっても家の人がいる訳でもない落ち着いた場所。誰の視線を気にすることもなくカナと二人でたくさんおしゃべりもできたし、沙代さんが用意してくれた食事はとても美味しかった。
最後に食べたのは、カナのお誕生日祝いと結婚一周年のお祝いを兼ねた小ぶりだけどフルーツのたくさん乗ったケーキ。
ろうそくは二人で相談して、数字の1と9、それからハートの形のものを刺した。
ろうそくを吹き消すのは、二人一緒に。カナのお誕生日に、ケーキのろうそくを吹き消すなんて初めてで、何だかとても変な感じがした。
二人だけのささやかなお祝いだったけど、本当に楽しかった。
カナの提案でセルフタイマーで記念撮影もしたし、スマホで自撮りというのもした。
「でも……デート、したかったな」
思わず漏れたそんな言葉に、カナは相好をくずした。
「明日も明後日も、家に帰るまで、まだ十日以上あるんだから、また体調の良い日に行こう」
言われて、こくりと頷く。
昨日から、食事の時くらいは起きていられるようにはなった。でも、今、わたしが食べているのは卵がゆで、カナとは別メニュー。朝は寝ている内に飲まされたゼリー飲料だし(しかも覚えていない)、結局、今日しっかり摂れた食事はお昼ご飯だけだった。
こんな状態で無理したら、明日はまた起きられなくなる。