王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
ただお茶するだけだと思っていたけれど、もっと大事な事だったんじゃーー。
自然と背筋が伸び、緊張が背中に走る。
結婚して数日で離婚、さらにこの歳でバツイチになってしまうのは避けたい。
勢いでしてしまった結婚だけれど、私にだってやめられない理由はある。
一体何を言われるのだろうか。
私は、そう身構えてお義母様の次の言葉を待った。
「昨日はうちの夫がごめんなさい」
綺麗な姿勢のまま、頭を下げられている。
ーー一体何が起きているの?
昨日って何があったっけ?
今朝の出来事が衝撃的過ぎて、忘れていた。
そういえば、お義父様に挨拶したような......。
素っ気ない返事で、仲が悪いのかなって感じたのを思い出す。
きっと、お義母様はその事を言っているのだろう。
「あ、いえ、気にしないでください......」
どう答えたらいいのか分からなくて、変な返事になってしまう。