王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
甘い雰囲気に、私も流されそうになってしまう。
ドキドキしすぎて、頭が真っ白になってくる。
そんな時、いつの間にか目を開けていた爽介さんと、視線が合って、ハッと我に返る。
「む、無理ですっ」
自分からなんて、恥ずかしくて出来るわけが無い。
「なんだ、残念」
そう言いながらも、どこか楽しそうな爽介さんは、私のことを離して、ゆっくりと起き上がった。
しかも、パッチリと開いた目は眠さの欠片も見えない。
まさかーー。
「いつから起きてたんですか?」
「ん〜、葵が近寄ってきて、なんか視線を感じた時かな」
それって、最初からってこと!?
初めの方の、寝ぼけた感じの表情は演技だったの!?
可愛いとかギャップを感じて、胸きゅんしてしまったのに。
「最初から起きてたんじゃないですか......」
思わず、ガクッと項垂れてしまうのも仕方がないだろう。
なんか、私ひとりだけドキドキしすぎて、恥ずかしい。
「ねぇ、葵?」