王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
「お、はようございます」
「あ、居た。おはよう」
こんなにドキドキしているのは私だけなのだろうか。
さっきまでの甘さは、どこかに吹き飛んでいる様子の爽介さん。
普通にいつも通りの爽やかな挨拶をしてきた。
もしかして、さっきの事は寝ぼけていて覚えてない......とか?
でも、はっきり喋っていたからそんなことは無いはず。
戸惑いながらも、私は朝ごはんを並べてあるテーブルに爽介さんを促して自分も座る。
「今日も美味そうっ!いただきまーす」
並べてあるごはんを見て、嬉しそうに食べだした爽介さんは、至っていつも通りだ。
もしかして、さっきのは夢ーー?いや、そんなわけは無い。
私はどう接したらいいのか分からないまま、いただきますと手を合わせて、一緒に食べ始めた。
「......」
「......」
無言で黙々と食べるのが続く。
食べている間は喋らないのは、もうここ何日かで分かったから、この沈黙は怖くない。