王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
「ははっ、凄いですよね。この街並みも精密に設計されているのですよ。さて、到着いたしました」
ほんと、着くのが早すぎるよ。のんびり景色を堪能する暇もない。
あっという間に、どこかの建物に入り、ホテルみたいな部屋の一室に案内される。
こんな所で、迷子になる訳にも行かない。
私には、橋本さんの後ろを付いていくしか選択肢がなかった。
「ここは?」
「総合病院の病室でございます。本来でしたら、客間をご用意したのですが、あいにく埋まっておりまして。狭いですが、こちらでご了承ください」
まさか、ここが病院の中だとは思わなかった。
どこかの、少し大きいホテルと言われても違和感がない。
しかも、ここの病院と言ったら、全室が個室だった気がする。
それが、こんなに広いなんて......。狭いと言った橋本さんの感覚が恐ろしい。
キッチンがないだけで、お風呂もトイレも完備している。普通に、ここに住めるんじゃ......。