王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
7.気持ちの変化とすれ違い
「おはよ」
すぐ近くから聞こえてきたその声に、パチッと目が覚めた。
だけど私の視界は真っ暗で何も見えてはいない。
それに、身動きも取れない。
ーーなにこれ、金縛り!?
そう思ったのも一瞬で、原因はすぐに分かった。
「葵、起きた?」
耳元で声が聞こえて、すぐに身体が動くようになる。
朝から、心臓に悪い起こし方しないで欲しい。
ドキドキしすぎてつらい。
「お、おはようございます......」
身動き取れなかったのは、金縛りなどではなく、爽介さんに捕まっていたからだ。
「ん、おはよ」
「......っ!?」
そして、爽介さんはそのままおでこにキスを落としてきた。
今まで、こんなことなかったのに、あの休みの日を1日過ごした後から、どんどん甘さが増している気がする。
それはきっと、私の気の所為なんかではなかった。
一体どうして......?
それに、私もおかしくなっている。