王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
「ねぇ、笑ってみて?」
これは、面接じゃなかったの?
私の知っている面接とは、異なりすぎていてどうしようか戸惑ってしまう。
普通、志望動機とか聞くんだよね......?まさか、ここでの常識は、普通とは違うとか。
そんなことありえないよね。
「あれ?聞こえてるよね?」
「あ、はい」
「笑って?」
満面の笑みで言われても、笑えと言われて、いきなり笑える人はいないと思う。
だけど、この人は変な人とはいえ、一応面接官だ。
私は引き攣らせながら無理やり笑って見せた。
こんな面接だなんて聞いてないし、いくらお金持ちの偉い人だからといって、こんな変な人の下で働いていいものかと不安になってくる。
申し込んだのは私だけれど、自分からお断りをしようかと思うくらいだ。
帰ろうか迷っていると、私が口に出す前に、男が口を開いた。
「うん、いいね。合格」
「は?」
聞き間違いではないだろうか?
今のどこを見て、判断したのか全く分からない。