王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
たしかに、普通の契約書っぽくは無いと思ったんだよ。
「えっと、これって家政婦の求人ですよね?」
「ーーもしかして、最後まで求人読んでない?」
どうにも、話が噛み合っていない。
最後まで読んだはずーーだけど、酔っていたから見逃したのかもしれない。
私は慌てて、ちょっとすみませんと断りを入れてから、改めて昨日見た画面を開いた。
上から“急募!!採用1名”という文字を見て、昨日読んだ内容をスクロールしていく。
私の記憶にある最後の項目を見た時、まだ下にスクロールできることに気がついた。
恐る恐る指を動かしていくと、最後に“結婚が前提”と書かれていた。
私が今、騙された訳ではなく、元々こういう求人だったのだと知った。
これは、きちんと確認していなかった私が悪い。
だけど、こんな初対面の人と契約紛いな結婚なんてするなんて、思うはずがない。
「もちろん、合わないと思ったらお断りするけどね」