王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
そう苦笑いしながら、聞いてもいないことを教えてくれる。
むしろ、知らなかったとはいえ、私の事もお断りして欲しかったかもしれない。
仕事は欲しいし、湊さんはイケメンだけれど、いきなり結婚と言われても戸惑うだけだ。
でも、お断りすることもあるという事は、私は彼のお眼鏡に叶ったということなのだろう。
名前を書いた婚姻届は、もうこの部屋には無いから、撤回しようにもそう簡単には行かないだろう。
それに、湊さんが橋本さんに何かを頼んでいた。
その直後に“夫婦だ”と言ったという事は、その頼み事は婚姻届を出すように言ったのだろう。
つまり、今のをなかったことにする為には、離婚しなきゃいけないということだ。
仕事の早そうな橋本さんは、さっさと提出してしまっているだろうから、今から止めるのは無理だろう。
この歳で、しかもこんな事でバツが着くなんて、あとが大変になるだけ。