王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
だけど、その全てに今朝家を出るまで、目の前にあったものが入っていた。
この短時間で、よくここまで移動できたものだと感心してしまう。一体いつの間に?
何があるのかを確認しようと、私は片付けを始めることにした。
でも、その前にーー。
スマホを取りだし、電話を掛ける。
2回コール音がなり、ブツっと途切れたあと聞きなれた声が聞こえてきた。
『もしもーし』
「杏奈!!」
私は、電話の向こう側に抗議するように声を出す。
『うわっ、びっくりした。何よ?』
「杏奈は知ってたの?」
スマホを近くの床に置いて、スピーカーにして話しかける。
手は片付けをするために動かすためだ。
『......あの事?』
「多分そう。いきなり面接に連れてこられて、結婚するのが条件とか聞いてないんだけど!」
そのまま、口が止まらなくなり、私は詳細を話した。
パジャマのまま連れ出されて、メイドさん達に着替えさせられたこと。