王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
笑えと言われて笑ったら採用になって、いつの間にか籍を入れていたこと。
そのまま家に連れてこられて、めちゃくちゃ広い部屋で今、荷物を開けていることまで、全て。
『はぁ......、葵だって、私の忠告聞いてなかったじゃん。私はちゃんと言ったのに、止めるまもなく応募していたんだから』
「うっ......」
そう言われると、たしかに、そうだった気がする。
忠告は分からないけれど、私が応募した時杏奈は驚いていたと思う。
その時は、その行動力に驚いたのかと思っていたけれど、実際は、結婚という条件があるのに応募した私に驚いていたのだ。
『玉の輿を狙ってるのかと思ったけど、違ったんだ』
何を言っているのだ、杏奈はーー。
「そんなつもりはないっ」
ただ、私は仕事を探していただけなのだから。
そこに、いい条件の求人があったら、誰でも飛びつくと思う。
そもそも、結婚が条件と、最後に書いてあるのがいけないのだ。