王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
「爽介さん。毛布をかりてもいいですか?」
自分の寝る場所を作ろうと、毛布を借りることにする。
残念ながら、私の荷物の中には必要な洋服くらいしか無かったので、毛布なんてあるわけもなかった。
ちなみに、今来ているパジャマは用意されていた物を着ている。
私が着てきたのは見当たらないし、他に無いからこれを着ることになったのだけれど、ものすごく着心地がいい。
手触りが最高に良くて、横になったら直ぐに寝れそうな程、しっくり馴染んでいる。
パジャマが無いことに気づいた私は、お風呂に入る前に、気になっていた事を聞いた。
「あの、クローゼットの服って......」
恐る恐る聞いたのに、爽介さんはサラリと当たり前のように言ってきた。
「全部葵のだから、好きに使って」
そう言ったのだ。全部私のーー。
いくらするのか考えるだけでも、目が回りそうだ。
「でも、あのサイズはどうして?」
「聞きたい?」