王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
センスが良くて、まさに私好みの服だからいいのだけれど、どこで好みまで知ってきたのか聞きたい。
反応に困るだろうから、口に出すことはしないけれど。
「じゃあ、行こうか。可愛い姿を見せたくはないけれど、そろそろ出ないと......」
「分かりました」
私は、後半の言葉は聞こえなかったことにして、後を着いて外に出る。
昨日通った道を逆に進んでいき、病院の正面玄関に来た。
「用事でもあるんですか?」
どこに連れていかれるのか聞いていなかった私は、再び、突然連れていかれた場所が病院だった事に戸惑う。
どこも悪くないから、今まで病院には滅多に来なかった。
忘れ物でもしたのかなーー。そんなことを勝手に考えている。
「うん。1番の目的だからね」
どういうことなんだろう。忘れ物ではないっぽい。
首を傾げながらも、後ろに付いて自動ドアをくぐる。
中に入った途端、消毒液の独特な匂いが鼻を刺激した。