王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
突然そう紹介された私は、嬉しそうに言う姿に、その言葉を否定することも出来ない。
だから、私は。
「よろしくお願いします」
そう、言うしかなかった。
正直、目の前でそう紹介されるのは照れくさい。
紹介された人はみんな、愛想よく返事をしてくれたけれど、やっぱり忙しいらしく、直ぐに仕事に戻っていく。
そんなことの繰り返しで、1階から全ての従業員に同じ紹介と返事を繰り返して行った。
大きい病院だけれど、誰でも爽介さんの事を知っていて、必ず挨拶をしてくる。
すごい先生だから、名前を知られているのだろうか......。
3階までは、流れ作業のようになっていたけれど、4階に来ると、さっきまでとは違った雰囲気で出迎えられた。
「ここが、僕の普段の職場」
ピコンピコンと機械音が響いている中、ナースステーションに入る。
「今平気?」
近くにいた看護師に爽介さんが聞くと、みんな、待ってましたと言わんばかりにこちらを向いた。