王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
「遅くなってごめん。こちらが僕の奥さんです」
さっきまでと同じように紹介をされて、私は同じように、よろしくおねがいしますと答える。
ひとりひとりと挨拶をしていると、背の高い男の人と目が合った。
ちょっと、チャラそうな雰囲気だけれど、四角い黒縁メガネの奥のつり目にじっと見られていて、隠れたくなる気持ちになった。
何かを見透かされているような感じだ。
「ふーん、キミがあの......」
その男がそういった時、爽介さんが口を塞ぐように飛び出していった。
「ばっ......けい」
あの人は何を言いかけたのだろう。気になる。
「爽介さん?」
「なんでもないよ」
笑って私の方を向いた爽介さんは、聞きたくても聞けない雰囲気を出している。
よっぽど効かれたくない事なんだろう。
後ろでは、その男が呆れたように肩を竦めていた。
そんな様子を見ていた私の視線に気づいた男は、近づいてきてこう言った。