王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
こんなに条件がいいのだから、きっと多くの人が応募する。倍率は高いはずだ。
私なんかが受かるとも思えないけれど、受けてみるだけ受けてみたい。
当たって砕けろだ。
半分酔っていた勢いもあるけれど、こういうのは思い立ったら行動しないと行けないと思う。
「......まぁ、大丈夫だよね」
そう、意味ありげに杏奈が呟いたのを、私は応募した満足で聞き逃していた。
***
杏奈と飲んだ次の日、私はインターフォンの音で目が覚めた。
こんな朝早くに、誰ーー?
荷物でも届いたのかな?そう思った私は、まだ重い目を擦りながら、外に出た。
パジャマのまま。
ドアを開けると、眩しい光が部屋の中に入ってくる。
「はい?」
出た先には、おじいちゃんが黒いスーツを着て、白髪の髪をピシッと固めている。
まるで、マンガとかでよく見る執事みたいな格好だ。
しかも、見たことも無い人。絶対に初対面だ。