王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
茶色の袋に入れられて、軽くラッピングされているそれは、ずっと渡そうと思っていたものだった。
「これの代わりに」
僕は、自分の前髪を上げているシュシュを指さして、押し付けるように袋を差し出した。
思わずといった形で受け取る彼女は、僕と袋を交互に見て驚いている。
「開けてみて?」
その言葉通り、戸惑いながらもテープを剥がして袋を開ける彼女。
中身を見て、目を見開いた。
「これって......」
「ひまわり、好きなのかと思って」
袋の中から取り出したのは、小さなひまわりが数個付いている髪飾りだ。
シュシュではないけれど、普段使いできるようなものでもある。
「ありがとう!大事にするっ」
そう言って、ぎゅっと大事そうに胸の前で握りしめた。
この子の笑顔は、僕の心を溶かす能力でもあるらしい。
「さてと......、それじゃ僕ももう少し頑張ってみることにするよ」