王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜
名前を聞いても、やっぱり聞き覚えは無いし、知り合いでも無さそうだ。
それよりも、応募って?
「えっと、お嬢様は昨日の夜、求人に応募されましたよね?」
求人?
杏奈と飲んでいた時の記憶を探り出す。
そう言えば、杏奈が条件のいい求人を見つけてくれて、その場で応募したんだっけ?
それよりもーー。
「その、お嬢様って言うのやめて貰えませんか?普通に呼んでいただけると......」
なんだか、呼ばれ慣れていないので、むず痒い。
「では、葵様でよろしいですか?」
橋本さんは嫌な顔をせず、にこやかにそう言った。
「それで、応募はしましたけど、どうして私は今連れ出されてるんですか?」
私は改めて同じ質問をする。
「求人を出した本人ーー、お坊ちゃまに会っていただく為です。つまり、簡単に言うと面接って事になりますね」
軽く、受かったらいいな位の気持ちだったのに、まさか、翌朝いきなり面接されるとは思ってもいなかった。