王子なドクターに恋をしたら
「お前、何やってんの?」

「へ?あっ、大野?…ああっバラが丸坊主!」

考え事をしながらバラの葉っぱを剝いていたら花びらまで剝いていて一本駄目にしてしまってた。
あ~哀れなバラさんごめんよ〜。

「あちゃ〜勿体ないからポプリにでもしよう…」

「お前まだ風邪が治ってないんじゃねえの?」

「え?風邪?なんで大野が知ってるの?」

バラの花を拾ってるとずいっと顔を覗き込まれて思わず引いてしまった。

「この間、借りた服返しに来たら…おばさんがそう言ってたから。顔、赤いぞ?熱あんじゃねえの?」

赤い顔を指摘されて焦った。
あんな事思い起こして赤面してただけなんて恥ずかしくて絶対言えない!

「え!いやいや全然大丈夫!気のせい気のせい!そういや大野は大丈夫だった?あたし急に熱が上がっちゃって大変だったんだ。もう治ったけど」

「ふーん、俺はまったく」

「あ、そう…」

あたしだけ風邪引くとか、なんか貧乏くじ引いたみたいでちょっと悔しいな。
まああたしがドジっただけなんだけどさ。

「そういや大野はなんでここにいるの?」

ふと疑問に思って聞いてみると大野は渋い顔をして横を向いた。
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