王子なドクターに恋をしたら
「お前が心配だったから…」

「え?なんて言ったの?」

「いや、たまたま通りかかったから覗いてみただけ」

「え?あ、そう」

大野はそう言うと飾られてる花たちを見てはつついたりしてる。
大野って花に興味なんてあったっけ?
まあいっか、店内を見て回る大野をほっといてあたしは仕事を続けた。
花を見ながらこちらをちらっと見た大野と何故か目が合った。

「松本ってさあ、たまにしか逢えない彼氏のこと待ってられるの?寂しいとか思わないわけ?」

「え?何急に。そりゃ寂しいけど…会える日のことを思うと我慢出来るというかなんというか…」

何を聞いてくるんだ大野は。
思わずしどろもどろに答えてしまった。
この間から遠距離恋愛に対してやけに聞いてくる気がする。やっぱり気になる子が転勤先にいるのかな?

「我慢は禁物じゃね?カレシもイケメンだし離れてるうちに浮気されるのがオチだろ?」

「はあ?そんなことあるわけないでしょ!何を聞いてくんのよあんたは!」

「いや、ただの好奇心」

< 109 / 317 >

この作品をシェア

pagetop