王子なドクターに恋をしたら
「好きだよ千雪」

「あ…」

あたしも和泉くんが好き

そう言う前に唇は塞がれて濃厚で息つく間もなく、手は妖しくあたしの身体をなぞった。
触れられたところからジリジリと熱く萌えて息が上がり、剝かれてあらわになった素肌にしっとりと濡れた唇がキスを落としていく。


和泉くんの綺麗なブルーの瞳が好き
優しく響く声が好き
無邪気な笑顔が好き
艶めかしい唇が好き
熱い手が好き
もう、和泉くんのすべてが大好き
あたしのナカの何かが溢れてどうしようもなく和泉くんが愛しい。


普段穏やかで優しい和泉くんがこの時にだけ現れる熱い情熱を感じながら、あたしは魅せられ悦び満たされる。

「ちゆは僕のすべてだ…」

「い…ずみ……」

あたしも言いたいのに息も絶え絶えで甘い吐息しか出てこない。
和泉くんも同じように感じてくれてるのかな。
あたしがそうであるように和泉くんもあたしのすべてで満たしてあげたい。

柔らかい栗色の髪を優しく撫でると顔を上げた和泉くんは愛おしそうに目を細めキスをした。
微笑み合いながら何度も何度もキスをして甘い余韻に浸る。

逢えなかった時間を埋めるように濃蜜な甘い二人の時間は空が白むまで終わりはしなかった。

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