王子なドクターに恋をしたら

思い出に浸るのも悪くないよね?

……………



フンフフ〜ン…♪

上機嫌のあたしは鼻歌を歌いながら花のお手入れに勤しんでいる。

あれからあっという間に半年が過ぎた。
あたしと和泉くんのお付き合いは順調そのもの。
相変わらず月に一週間ほどこちらに来てお仕事してる間、あの家で二人の時間を満喫している。

東京の病院では毎日忙しく夜勤や急な呼び出しが多いけど、こちらは田舎だけあって夜勤もあまり無いし呼び出しも稀だからゆっくり出来ると和泉くんが言っていた。
おかげであたし達は普段逢えない分濃厚で濃密で人には言えないくらい、いちゃいちゃいちゃいちゃしてるのだ。

それと、和泉くんはこちらで車を買ってそれで通勤するようになった。
それで休みの日は毎回のようにドライブに出掛けた。
次の日は和泉くんが東京に帰っちゃうので日帰りがほとんどだけど二人で近場の観光スポットなどを巡るのはとても楽しかった。

中でも思い出に残るのが山奥にひっそりと湧いている泉を見に行ったとき。
そこは知る人ぞ知るパワースポットで、底まで見えるほど透明度が高い泉はとても綺麗な青色をしていた。
それはまるで和泉くんの瞳のよう。

< 121 / 317 >

この作品をシェア

pagetop