王子なドクターに恋をしたら
和泉くんのご実家は男所帯で叶さんに親族は居なく、女性は家政婦の紀子さんしかいないのだそう。
だから一人目出産の時は紀子さんが色々手伝っていたそうだけど、運悪く九州に住んでる紀子さんのお母さんが骨折をしてしまい、同居してるお姉さんにヘルプを頼まれ実家に帰ってるのだとか。
遠い九州で紀子さんはすぐに帰って来れないし、でも女性の手は欲しい、ということで聡子さんが手伝いに行くことになったそうな。
で、それといいこととはなんの繋がりが?と、やっぱり首を傾げてしまう。

「千雪さん、一緒に行きましょう東京に!」

「はい?」

「流星さんと和泉さんは同じレジデンスに住んでるのよ。だから和泉さんに逢いに行きましょう!」

「えっ?逢いに!?」

「そう!名案でしょ?」

「で、でも和泉くんあたしと逢うの止められてるんじゃ…」

「和泉さんが千雪さんに逢いに行くのはだめと言われても、千雪さんから逢いに行くなとは言われてないでしょう?」

ふふっとお茶目に笑う聡子さんにあたしは目を瞬かせ唖然。
そういうもんですか?と聞くとそういうもんよと軽く言ってのけた聡子さんに思わず感心してしまった。
< 155 / 317 >

この作品をシェア

pagetop