王子なドクターに恋をしたら
向かった先はセレブの街銀座のデパート。
道行く人も高級感あふれるマダムらしい人ばかりで圧倒されていた。
あたしは場違いなところに来てしまったと聡子さんの後ろで縮こまってしまう。

そんな中、負けず劣らずセレブ感を出した聡子さんが、東京はたまにしか来れないからお買い物楽しみにしてたのよ～と、次々高級ブティックで試着しては買っているのを見て度肝を抜かれた。
優雅にお買い物してるのを見て、普段の聡子さんはいつもニコニコおっとりしてて優しいお母さんって感じだったから、院長先生の奥様もセレブだったんだぁと今更思い至った。

千雪さんにも買ってあげるとワンピースを宛がわれた時には慌てて遠慮して和泉くんから誕生日のプレゼントに送ってくれたバックをぎゅっと掴んだ。
逢いに行くのだからと持ってきたバックが唯一の高級品。
ちょっと卑屈になり過ぎてるかもしれないけどそれも今のあたしには不釣り合いに感じてきた。

煌びやかな世界にクラクラしてるうちに聡子さんのお買い物は終わったようでいよいよ和泉くんがいる病院へと向かうことになった。
覚悟しておかなきゃと思ってたのにそんなことすっかり忘れていて急に緊張してきて心臓が痛いくらいドキドキとしてきた。
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