王子なドクターに恋をしたら
その夜は手を繋いで一緒に眠った。

最初は寝室も別にしようと言われて、あまりにもあたしががっかりしてるものだから一緒に寝ることにしてくれた。
和泉くん曰く、上司との約束はまだ続いてるらしく彼女の身体だけが目的ではないと証明したい。ということで、キスもハグもその先も当然なかった。
あたしとしては逢えたことだけでも良しとしたいところだけど、やっぱり物足りない。
これはもしかして少しづつ逢うのも触れ合うのも減らしていって、別れるための伏線なのでは?と勘ぐってしまう。

朝早く出勤していった和泉くんを見送りはあっと勢いよく息を吐いた。
ダメだダメだ!そんな後ろ向きでどうする!
悪い方向に考えてしまうのはあたしの悪い癖だ。
和泉くんはもう少し考えさせてと言っていた。だから待とう。
きっと和泉くんは全て話してくれるはず。
これからの事もあたしたちの事も。

気を取り直して叶さんのお宅にお邪魔した。
大きなお腹を重そうにしながら出迎えてくれた叶さん。今日は色々話してみたかった。
おもちゃで遊ぶ來翔くんを見ながら、聡子さんも交え3人でのお茶会は話が弾んだ。

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