王子なドクターに恋をしたら
「高槻お前なあ!」

大きな声がしてはっと後ろを振り向いたらちょうど和泉くんが横の通路から出てきた。
あたしは咄嗟に観葉植物の影に隠れて様子を伺う。
和泉くんが白衣を来ている…
かっ!かっこいい!!
スーツ姿もかっこいいのにそれを上回るかっこよさで目が眩みそう!

その後ろから追いかけてきた先輩らしき人と立ち話し始めた。
どうしようときめき過ぎて胸が痛い。観葉植物からじっと様子を伺うあたしは今見るからに不審者だろうけど!
和泉くんがかっこよすぎて目が離せない。


「さっきの話~……」
「嫌ですよ、僕は方針を変えませんよ~……」
あたしには難しくてさっぱりだけど、なにやら難しい議論をしてるみたい。
見るからに年上の先生にも物怖じせずに意見を言って和泉くんが論破してるように見える。
今の和泉くんは凛々しくてお医者様として立派にやってるんだなあとしみじみ思った。

そのまま見てると話は終わったようで二人で歩き出した。
こちらに来るからあたしは息を潜め二人が通り過ぎて行くのを待つ。

ああ、和泉くんが行っちゃう。
和泉くんを見つめながらまだ熱い頬に手をやった。
和泉くんの白衣姿が見れてよかったなあ〜こっそり来てみて良かったと、後ろ姿を見送ってると横から急に声をかけられた。

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