王子なドクターに恋をしたら
「患者じゃないけど。村山は何してるの?」
少し低いツンケンした声の和泉くんにあたしは驚いた。
和泉くんのこんな話し方聞いたことが無い。
男性は気にした様子もなく生真面目そうに状況を説明する。
「こちらの女性が顔を赤くしてフラフラしていたので熱でもあるのかと声をかけました」
「熱?」
和泉くんが目を見開きあたしを見下ろして来たから、あたしは無い無いと慌てて首を振ると、スッと和泉くんの手が額を触るからピタっと止まった。
「…熱は無いようだよ。村山は忙しいだろう、もう行っていいよ」
「…そうですか。では」
村山と呼ばれた男性は会釈するとあっさりと行ってしまった。
つられて会釈して、そ~っと見上げると和泉くんの呆れたような視線と目が合った。
「ちゆはここで何をしてるの?」
「…え〜っと…」
「おい、高槻」
言い淀んでると後ろから声がかかり、見ればさっき和泉くんと議論を交わしてた男性が腕を組んでこちらを睨んでた。
その目はこの女は誰なんだ?と言っている。それも不機嫌そうに。
「黒崎さん…」
「え?」
黒崎?ってことはこの人が和泉くん(というかあたし)を悩ますパワハラ上司?
あたしも思わずパワハラ上司を睨んでしまった。
和泉くんはちらりとあたしを見て静かに言った。
「…僕の彼女です」
「お前〜、逢いに行くなと言われて逆に女を呼び寄せたのか?そこまでして逢いたい女かそいつが?」
「んなっ…!」
少し低いツンケンした声の和泉くんにあたしは驚いた。
和泉くんのこんな話し方聞いたことが無い。
男性は気にした様子もなく生真面目そうに状況を説明する。
「こちらの女性が顔を赤くしてフラフラしていたので熱でもあるのかと声をかけました」
「熱?」
和泉くんが目を見開きあたしを見下ろして来たから、あたしは無い無いと慌てて首を振ると、スッと和泉くんの手が額を触るからピタっと止まった。
「…熱は無いようだよ。村山は忙しいだろう、もう行っていいよ」
「…そうですか。では」
村山と呼ばれた男性は会釈するとあっさりと行ってしまった。
つられて会釈して、そ~っと見上げると和泉くんの呆れたような視線と目が合った。
「ちゆはここで何をしてるの?」
「…え〜っと…」
「おい、高槻」
言い淀んでると後ろから声がかかり、見ればさっき和泉くんと議論を交わしてた男性が腕を組んでこちらを睨んでた。
その目はこの女は誰なんだ?と言っている。それも不機嫌そうに。
「黒崎さん…」
「え?」
黒崎?ってことはこの人が和泉くん(というかあたし)を悩ますパワハラ上司?
あたしも思わずパワハラ上司を睨んでしまった。
和泉くんはちらりとあたしを見て静かに言った。
「…僕の彼女です」
「お前〜、逢いに行くなと言われて逆に女を呼び寄せたのか?そこまでして逢いたい女かそいつが?」
「んなっ…!」