王子なドクターに恋をしたら
本人目の前に散々の事を言われた。
あのパワハラ上司もそうだけど、都会の人間はこんなに不躾なのか？
いやいや、そうよ叶ちゃん達優しい人もいっぱいいるじゃない。
うん、そうだよね、安心した。
呆気に取られたあたしは酷い言われ様なのに一人物思いにふけって他人事のように彼女たちを見ていた。

「相馬先生の方がよっぽど合ってる」

そうま…せんせい？
誰の事だろう？何が合ってるというの？
その名前だけが頭に残った。

「君達何してるの？」

「あっ高槻先生！お疲れ様です」
「先生のお知り合いがおられたのでお話を」

和泉くんが来たことで彼女達は急に愛想よくなった。
さっきの口の悪さはどこ行った〜？

「先生とはどういうご関係で？」
「病院内で手を繋いでいましたよね？」

「この子は、僕の彼女だよ」

そう言って和泉くんはあたしの肩を抱いた。
女性達はウソー！ホントに？信じられなーい！とお決まりのコメントで騒ぎ立てる。

「高槻先生、相馬先生とは…」

「これ以上の詮索はしないでもらえるかな？」

女性が言いかけた言葉を遮りキツめに言い放った和泉くんは失礼するよ、とあたしを連れてその場を去った。

また嫌な思いさせてごめんねとしきりに謝る和泉くんにあたしはもういいよと許したことにしてお目当てのお店に入り美味しいお食事を堪能したわけだけど…。
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