王子なドクターに恋をしたら
「…大丈夫。兄からの電話です」
それを聞いてみんなホッとした顔をした。
「ちょっと電話してきます。ちゆは…」
「あたしここで待ってるよ。行ってきて」
伊藤先生と幸田先生を気にしつつ、あたしが大丈夫と言うと、和泉くんはすぐ戻ると行ってしまった。
残された3人でしんと静まりかえる。
「あ、あの千雪ちゃんさあ…」
「はい?」
「高槻と相馬のこと知ってる?」
和泉くんに窘められたというのに伊藤先生は懲りずに今度はあたしに聞いて来た。
一瞬言葉に詰まったけど、あたしは頷いた。
「はっきり聞いたわけではありませんが、何となく察してます」
「あ、そうだよねえ~、聞いて悪かった」
あたしが暗い顔をしたせいか、首の後ろを掻いて詫びる伊藤先生。
「察してるならさ、誰が高槻に相応しいか分かるよね?」
「え?」
終始冷たい雰囲気だった幸田先生が鋭くあたしを睨む。
「俺も黒崎先生の考えに賛成なんだよね。高槻は今や我が病院のホープで医師会でも注目の的なんだ。今大事な時なのに斗浦部なんて田舎にうつつを抜かしてる高槻の事が心底理解できなかった。しかもこんな田舎娘に心酔してるとは。相馬の方が断然いい女だし、同じ医師として高槻とこれからも高め合っていけるはずだ。なんで彼女と別れたのかほんとに理解できない」
それを聞いてみんなホッとした顔をした。
「ちょっと電話してきます。ちゆは…」
「あたしここで待ってるよ。行ってきて」
伊藤先生と幸田先生を気にしつつ、あたしが大丈夫と言うと、和泉くんはすぐ戻ると行ってしまった。
残された3人でしんと静まりかえる。
「あ、あの千雪ちゃんさあ…」
「はい?」
「高槻と相馬のこと知ってる?」
和泉くんに窘められたというのに伊藤先生は懲りずに今度はあたしに聞いて来た。
一瞬言葉に詰まったけど、あたしは頷いた。
「はっきり聞いたわけではありませんが、何となく察してます」
「あ、そうだよねえ~、聞いて悪かった」
あたしが暗い顔をしたせいか、首の後ろを掻いて詫びる伊藤先生。
「察してるならさ、誰が高槻に相応しいか分かるよね?」
「え?」
終始冷たい雰囲気だった幸田先生が鋭くあたしを睨む。
「俺も黒崎先生の考えに賛成なんだよね。高槻は今や我が病院のホープで医師会でも注目の的なんだ。今大事な時なのに斗浦部なんて田舎にうつつを抜かしてる高槻の事が心底理解できなかった。しかもこんな田舎娘に心酔してるとは。相馬の方が断然いい女だし、同じ医師として高槻とこれからも高め合っていけるはずだ。なんで彼女と別れたのかほんとに理解できない」