王子なドクターに恋をしたら
そう、ここは東京のレジデンスではなく、斗浦部の和泉くんとあたしの家。
今日の朝、聡子さんに挨拶に行った後そのまま斗浦部まで帰ってきた。
東京じゃ桜が咲いてるのにここじゃまだ雪深い。
月明かりに照らされた雪が庭を淡く光らせている。
「ごめんね…あそこにいると寂しくて…あたしの居場所は無いって気づいたから…帰ってきちゃった」
「ちゆ…幸田先生がちゆに酷い事を言ったって聞いた。それに相馬先生の事…ちゆが怒って帰ってしまうのも仕方ないよ」
俯き涙を堪えてると両手を温かい手が包みこむ。
「違うよ、あたしは和泉くんを試したんだよ。あたしがいないと知った和泉くんがどういう行動を起こすのか。あたしのことを本当に好きならここまで来てくれるはず。でも、もし来なかったなら……」
あたしは和泉くんと別れる覚悟をしなければいけないと思った。
そこまで思い詰めておきながらいざ和泉くんが来てくれて、嬉しいよりも申し訳なさが先に立つ。
ポロポロ零れる涙をそっと拭ってくれた和泉くんは隣に座り抱きしめてくれる。
和泉くんは必ず来てくれるってわかってた。
なのに優しい和泉くんに付け込んでこんな遠くまで来させてしまって、大それたことをしてしまったと申し訳なくて何度もごめんと呟いた。
今日の朝、聡子さんに挨拶に行った後そのまま斗浦部まで帰ってきた。
東京じゃ桜が咲いてるのにここじゃまだ雪深い。
月明かりに照らされた雪が庭を淡く光らせている。
「ごめんね…あそこにいると寂しくて…あたしの居場所は無いって気づいたから…帰ってきちゃった」
「ちゆ…幸田先生がちゆに酷い事を言ったって聞いた。それに相馬先生の事…ちゆが怒って帰ってしまうのも仕方ないよ」
俯き涙を堪えてると両手を温かい手が包みこむ。
「違うよ、あたしは和泉くんを試したんだよ。あたしがいないと知った和泉くんがどういう行動を起こすのか。あたしのことを本当に好きならここまで来てくれるはず。でも、もし来なかったなら……」
あたしは和泉くんと別れる覚悟をしなければいけないと思った。
そこまで思い詰めておきながらいざ和泉くんが来てくれて、嬉しいよりも申し訳なさが先に立つ。
ポロポロ零れる涙をそっと拭ってくれた和泉くんは隣に座り抱きしめてくれる。
和泉くんは必ず来てくれるってわかってた。
なのに優しい和泉くんに付け込んでこんな遠くまで来させてしまって、大それたことをしてしまったと申し訳なくて何度もごめんと呟いた。