王子なドクターに恋をしたら
ゆっくりと開けられた瞼の中に揺れるブルーの瞳はやっぱり綺麗で魅了される。

「好きだよ千雪。千雪が僕を嫌いになっても絶対に離したくないほど僕は千雪に溺れてるんだ。世界で一番愛してる」

「和泉くん…」

真剣な声に胸がいっぱいであたしの瞳からまた涙が零れた。
両手で和泉くんの頬を包みこみ綺麗な瞳を見つめ返す。

「あたしも、和泉くんが好き。どんなに周りに反対されようと誰もあたしたちの事認めてくれなくてもあたしは和泉くんから離れたくない。世界で一番愛してるよ和泉くん」

「ちゆ…」

泣きそうに顔を歪ませた和泉くんとぎこちなく微笑み合ってあたし達は優しいキスをした。



月明かりだけが差し込む寝室で触れ合う素肌が熱を持つ。
熱い吐息を絡ませて見つめ合えば愛が溢れてあたしたちを満たしていく。

「相馬先生の事…確かに昔付き合ってた。けどもう過去の事だ。今は誓ってちゆだけだよ。ちゆだけが愛しい…」

あたしの不安を消すように何度も愛していると言ってくれた。

時々和泉くんは自分を酷い男なんだと言うけどそんなことない。
出合ってからずっと和泉くんはあたしに変わらぬ愛情をくれた。
それなのに周りに振り回されて信じることが出来なかったあたしの方が酷い女だ。

和泉くんは誠実で優しい素敵な人なんだ。
こんなあたしを愛してくれて自信を持たせてくれる。
何があろうとあたしは和泉くんが好き。
もう迷わない。

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